ブルックナーの7番 |
でも、7番の第4楽章を聴いて、その理由が分かったように思いました。多分、ハイティンクは7番の第4楽章が大好きだったのではないでしょうか。
あの第4楽章のフィナーレは自分の音楽人生に対しての贈り物だと思うのです。
そう思うくらい、ハイティンクが指揮したブルックナーの交響曲第7番の第4楽章は素晴らしいのです。昔は第1楽章や第2楽章をよく聴いたものですが、いつの頃からか、敬遠するようになってしまいました。そして、その第4楽章を熱心に聴くようになったきっかけがハイティンクの演奏だったのです。ハイティンクの演奏で、この楽章の真価が分かったように思うからです。
今、その音楽を聴きながら書いているのですが、このオーケストラのサウンドは完熟した果物を連想させます。
私が聴いているのは1978年の録音ですが、ハイティンクには1967年の録音もあります。こちらは果物でいうと、まだ青いです。若さは感じますが、粗いところが散見されます。この中間に放送録音ボックスの演奏があります。演奏も完熟の一歩手前の感じです。ただ、1978年の演奏があまりにもゴージャスな音なので、もう少し素朴な方が良い場合には、この放送録音の演奏が良いと思います。